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不動産契約

滌除

読み方:てきじょ

滌除(てきじょ)とは、抵当権の設定された不動産の所有権、地上権又は永小作権を取得した第三取得者が、抵当権者に対し、当該不動産の価額相当額を支払い又は供託して一方的に抵当権を消滅させる制度を意味する。

滌除は平成15年改正前の旧民法上の制度(民法旧378条~387条)であるが、改正において滌除制度は抵当権消滅請求と改められた。

たとえば、Xが1000万円の債権を担保するためにY所有の不動産に抵当権を設定していた場合、Yから当該抵当不動産を取得したZにより滌除制度が利用された。この場合、Zは抵当権者であるXに対して、自己の評価額である800万円を支払うから抵当権を消滅させてもらう旨を申し出ることができる。これに抵当権者Xが応じれば、抵当権は消滅することとなる。

しかし、金額に不服があるため滌除の申し出に応じない場合には、抵当権者は1か月以内に増加競売の請求をしなければならないとされていた。
また、抵当権者は、第三取得者の滌除の権利を保障するため、抵当権実行の際にはあらかじめその旨を通知し、滌除の機会を与えなければならないとされていた(民法旧381条)。

ところが、滌除制度については以下の問題が指摘されていた。
①滌除権が行使されると、土地の値上がりが期待される場合にも時価格以下の金額で、弁済期前の弁済をしなければならなかった。
②増加競売をするための保証金提供義務(民事執行法旧186条)等、抵当権者側の負担が大きかったため、不十分な額の滌除の申し出にも抵当権者は応ぜざるをえなかった。
③抵当権実行の事前通知が実行妨害の機会を与えることもあった。

そこで、平成15年改正により滌除制度は抵当権消滅請求となり、以下の点が改められた。
①抵当権実行の事前通知の廃止
②増加競売制度の廃止の結果、抵当権者は抵当不動産の買受義務を負わず、通常の競売手続きに進めばよいことになった。
また、競売手続きが取消しとなる場合であっても、抵当権消滅請求の承諾は擬制されないものとした。

<滌除に関連する用語>
増加競売、抵当権消滅請求

<参考文献>
民法III [第3版] 債権総論・担保物権、内田貴(東京大学出版会)

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